本アルバムを最後に、ルー・ドナルドソンが、トランペット+ピアノ+
ベース+ドラムを従えた編成で吹き込んだ作品は40年以上制作されていない
60年代以降、彼の活動は二極分化路線に向かう。 オルガン・コンボでの
演奏と、ハーマン・フォスターとのコラボレーションに、である。
如何に、この二つのフォーマットが居心地の良いものであるかが分かる。
本アルバムは、大げさに言えばルー・ドナルドソンの
“ラスト・ハードバップ・セッション”とでも言うべきもの。
ビル・バードマンも絶妙な伴侶振りを見せる。
この3~4年前にはアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズに在籍し、出来不出来の激しい
プレイをしていた彼も、本アルバムでは一点の隙もなくコンスタントに歌うプレイヤーになっている。
この好調を維持しつつ翌年には入魂の初リーダー作「ビル・バードマン・クインテット」(サヴォイ)を
発表するんだなぁ~ と思うとファンとしては実に感慨深い。
このサヴォイ盤のアルバム単位でのCD化は、おいらの知る限りされていない。
発売権を持っている、どこぞの島国はいつまで惰眠をむさぼっているのか。
サニー・サイド・アップ/ルー・ドナルドソン
サニー・サイド・アップ/ルー・ドナルドソン ジャズアルバム紹介 に加筆・修正を加え転載。
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